紀尾井町　福田家

涼を呼ぶ満点の
美味しさ。

紀尾井町　福田家は、北大路魯山人ゆかりの東京を代表する名料亭です。「酢橘などが入る蓴菜素麺は、お客様に夏の涼を楽しんでいただくお料理です。丁寧にとった出汁の美味しさを味わっていただきたいと思います」と、松下俊一料理長は語ります。

商品は、めんつゆ（掛け地）、じゅんさい（蓴菜）、すだち（酢橘）、剣山若芽、薬味（みょうが、長ねぎ、大葉）と本葛入り全粒麺のセットです。どれも素晴らしい内容です。まったく隙がありません。これぞ名料亭の味です。

香味高い麺つゆです。

出汁が見事です。福田家の味の根幹をなす鰹出汁に、大根と人参の皮、椎茸の軸、長ねぎの青いところをたっぷりと加えて煮出します。それを濾したら宗田節もたっぷりと加え、そのまま冷まします。

「出汁を濃くとることが肝心です。野菜の皮をたっぷりと使い、野菜の旨みと甘みを加えます。宗田節もどさっと入れます。この香ばしさが麺によく合うのです」と、松下料理長は語ります。

選りすぐりの
素材です。

麺は奈良県の三輪勝山製麺の本葛入り全粒麺です。ノンオイル製法の、素材の味が凝縮された喉越しの良い麺です。

「一般的な素麺は清涼感があっていいものですが、あえて味わいで麺を選びました。この麺は全粒粉を使っているので、小麦粉の風味が伝わってくるところがいいのです。本葛も入っているので、なめらかな食感もお楽しみいただけます」と、松下料理長。ちょっと蕎麦のような、ちゃんと味のある麺です。

蓴菜は秋田県産です。　

蓴菜（じゅんさい）は秋田県産のぬめりの強い小さめのものです。収穫する沼を指定しています。

北三陸産の
剣山若芽です。

剣山若芽は、岩手県北三陸産の若芽の茎を手で割いたものです。「噛むといい味があり、磯の香りも広がります。これが麺によく合います」と、松下料理長が絶賛する若芽です。

名料亭の味をどうぞ。

麺とつゆをよく冷やしてください。水を切った麺を器に盛り、酢橘などの具材をのせます。その上から麺つゆを注ぐと、酢橘の香りと酸味が広がり、清涼感が増します。具材は、料理人がひとつひとつ丁寧に下ごしらえをしてあります。素麺をゆでるだけでお気軽に名店の味を堪能できます。暑い夏の日に贅沢な涼をお楽しみください。

文・小河原英二（食文化）
撮影・八木澤芳彦