日本人のDNAに刻まれるワタリガニへの欲望

大きな船も大きな網や籠がない時代
日本人は海岸近くで獲れるワタリガニ(学名ではガザミ)を好んで食べた
ガザミ、タイワンガザミ、そして最大種のノコギリガザミ
特にノコギリガザミは味が濃厚で各地の美味として珍重された

第二次大戦後、護岸工事が進み、ノコギリガザミの産卵場所の河口近くの泥地が 激減したことで、日本本土のノコギリガザミは幻の美味となり、 ほぼ一般入手は困難となった。
それでも南西諸島では獲れていたが、それも乱獲のせいか、 最近では大きなものは非常に少なくなった。

巨大なノコギリガザミ それも天然物は世界的にも貴重となった。東南アジア、南アジア諸国でも経済成長に伴い、ノコギリガザミは減り続けている 養殖物は手に入りやすいが、大きな天然物は貴重となりつつある。
最後のノコギリガザミの楽園
カリマンタン島
インドネシアの自然豊かなカリマンタン島では、まだまだ巨大なノコギリガザミの仲間が獲れる。
現地ではマングローブの林で獲れるので、マングローブ蟹と呼ばれる。
マングローブ蟹を生きたまま輸入し、生簀で泥を吐かせると、日本人の舌が欲する
濃厚で繊細なノコギリガザミの味にかなり近づく!
固く巨大な爪は金槌か木槌がないと割れないのも同じだ。