有明海を代表する珍味
強烈な旨味と干潟の香りの
「海茸(うみたけ)」
海茸(うみたけ)は有明海固有種。
ニオガイ科ニオガイ属 二枚貝の仲間でミル貝のような見た目の大きな水管が特徴的です。
その水管を刺身や一夜干しにしたものは
他に例えようのない、強烈な旨味。
干潟に住む海茸が持つ独特な風味は有明海を代表する珍味です。
現在、海茸(ウミタケ)は絶滅危惧Ⅱ類(VU):絶滅の危険が増大している種として分類されています。
そのため2007年からは資源保護を目的に休漁が続いていました。
しかし、生息箇所や密度を把握、今後の基準作り、伝統的な漁法の技術継承のため
昨年より「調査操業」として漁が再開。
そして、今年も試験操業があると筑後中部魚市場 マルマ松本鮮魚 松本勝男 さんより連絡が入りました!
福岡県柳川「筑後中部魚市場」は北部九州各地から新鮮な魚介類が集まります。
地方卸売市場では全国トップクラス60t〜80t/日の取り扱い量です。
特に有明海産の地物の取扱いでは 九州随一。
他の海域では目にかかれない魚種に精通するのがマルマ松本鮮魚の松本勝男さんです。
海茸は有明海の資源に寄り添い、守りながら生業をたてるマルマ松本鮮魚 だからこそ扱うことができる貴重な食材です。
貴重な美味を実食!
調理はいたってシンプル一夜干しがお薦めです。
-
内蔵と水管部分を切り分け、開く
-
内側のぬめり、泥をこそげ落とす
-
水管内部を水洗いをする。この際、海茸の独特の風味を残すために
外側は綺麗に洗いすぎない。 -
水気を切り、 風通しのよい場所で一晩干すと外側はザラザラと、内側はほどよく水分が残った質感に。
さっと炙って召し上がってください。 火を通しすぎる硬くなります。また焦げた香りが強すぎるとせっかくの干潟の香りもぼやけてしまいます。
縦に裂く、横にハサミをいれる、食べ方はするめと同じ要領です。
旨味の強さからあっという間に食べきってしまうので注意が必要です。
有明海の貴重な美味、じっくりと堪能したいものです。
食文化 鈴木愛理