いちごの「あまおう」
いちじくの「とよみつひめ」
に続く、福岡の新ブランド
福岡県が開発した
完全甘柿
『博多秋王(あきおう)』
博多秋王(あきおう)は福岡県農林業総合試験場が約10年の歳月をかけ開発し、2015年に全国デビューした完全甘柿。 脱渋の必要がなく、種を取る必要もない =種なし完全甘柿 という特徴を持つ。 種がないため、水平に包丁を入れてもすっと切ることができ、手軽に甘柿を楽しむことができる。次世代の柿として青果業界では期待が高まっている。
甘柿の王様、
「富有柿」を上回る甘さ
秋王は親品種の長所を上手に引き継いでいる。一般に甘柿の王様といわれる富有柿を親に持ち、 糖度はその親を上回る17〜18度。糖組成上、ショ糖が特に多いため、舌にまとわるような濃厚な甘さを持つ。 もう片親の太秋柿の特徴である、サクサクとした食感も引き継いでいる。食感が軽やかなので、濃厚な甘さを持ちながら、しつこさがない。
100年以上、進展のなかった「甘柿」の品種改良
1912年の農商務省農事試験場園芸部の調査によると当時の日本では1,000品種を超える柿が全国各地で栽培されていたが、遺伝的に柿のルーツは渋柿。ほぼ全ての柿は渋柿と言っても過言ではなかった。
甘柿は江戸時代までは、御所という品種のみであった。
甘柿同士の交配でないと、甘柿は生まれないため1912年時点での甘柿品種は御所の血を引く、富有・次郎・花御所・晩御所・天神御所の6品種のみ。
つまり、甘柿品種は全体の約0.6%ほど。近親交配が進行すると、甘柿の育種品種の樹勢と収量性も劣る。そのため甘柿品種の開発は困難を極めていた。
近親交配の遺伝的な劣後性を解決するため、1990年以降は完全甘柿(種の有無に関わらず甘柿)に、不完全甘柿(種ができると甘柿になる)を交雑し、低い確率ではあるが、新しい完全甘柿の子を得る戦略が取られることになった。
DNA解析がなかった時代、種の特性を確認するのに時間が掛かるため、膨大な手間と時間を費やして甘柿品種開発が行われていた。
2000年にDNAマーカーが開発され、完全甘柿系統の DNA選抜が可能になり、甘柿品種開発は新しい時代を迎えた。
2001年
福岡県農業総合試験場で始まった県オリジナル柿品種の開発
コードネーム カキ福岡K1号
(後に秋王として登録される最初の血統)
福岡K1号は富有と太秋を親に持つ。太秋は富有とIIiG-16を親に持つ。
IIiG16は次郎と興津15号を親に持つ。
興津15号は晩御所と花御所を親に持つ。
これだけ血統を遡ると、安全なる甘柿のDNAは実に限られることがわかる。
世界初の九倍体の柿の実生は
胚培養技術で生まれた
種のない柿をつくるには染色体の倍数性を「奇数」の九倍体にする必要があった通常の富有柿などは六倍体。
九倍体の完全甘柿を育成するためには甘柿同士の交配が必要だった。
しかし、柿の甘渋性の遺伝に関して甘柿は渋柿に対して潜性(劣性)。
そこで交雑した種子にわずかに混在するしいな状の不完全種子を培養することで 九倍体の実生を作出した。
これは世界初の手法だった。
具体的には「富有」の雌花に「太秋」の花粉を交雑し、 80日後に総種子数の6.7%程度得られる不完全種子を胚培養。
そこから得られる実生の一部が九倍体となった。
つまり、1割にも満たない確立で発生する、しいな種子(=発芽能力をもたない種子)を培養する、という途方もない研究だった。種子が培養できても、発根や圃場に植え付けるまでにも困難が伴った。
わずか9年で秋王は品種化へ、
福岡試験場の育種の凄さ
遡ってみると、秋王の親である太秋柿は2012年の品種登録までに実に73年の年月を要している。前述したように甘柿の開発には大変時間がかかり難しい。
しかし、福岡県農林試験場は果樹育種にかかる年月として、決して長くはない9年で秋王を開発した。
結実性の悪さや傷が付きやすさという生産現場での弱点もあるが、今後苗木の普及が進み、樹齢の経過とともに栽培技術が進展すれば その食味は甘柿の王様の座をとってかわる品種になってもおかしくはない。
現状は生産量が限られるため、流通は全国でも3市場のみ。
完全限定の一品であるが、 その美味しさにいち早く触れてほしい。
11/22出荷□ 種なし完全甘柿『大玉 博多秋王(あきおう)』福岡県産 3〜5L 約3.5kg(8〜10玉)産地箱 風袋込 ※常温
4,980円(税込)
- 販売中 在庫数 15
- (株)食文化 大井出...