名店の味

フランス料理六本木ヴァンサン｜通販・お取り寄せ

フランス料理　六本木ヴァンサン

城悦男シェフの
スペシャルディナーCuisine

オーソドックスだからこそ、
違いの分かる一皿

牛ほほ肉の
赤ワイン煮

これぞ王道、
レジェンドの味

この料理は他のお店でも食べた経験のある人も多いと思います。だからこそ、違いが分かる一皿です。一言でいうとソースがしっかりしみ込んでいる。柔らかいのは当然ですが、他との違いは赤ワインとフォンドヴォーのソースがしっかり肉に入り込んでいるのです。

黒毛和牛を
ソテーします。

肉に小麦粉を振り、しっかりソテーしていきます。この段階で外側に壁を作ることで、肉の旨みが外に出ないように閉じ込め、煮込んでソースの味を含ませていく段階にそなえます。「昨今は低温調理的なものもはやっているけど、この料理はある程度しっかり焼いておくのがポイントだね」と、城悦男シェフは語ります。

赤ワインを
たっぷり注ぎます。

良いワインをたっぷりと使います。今回使ったものはボルドーで、そのままお店でも出せるような品質のもの。城悦男シェフ曰く、「こういう料理はコシのしっかりした、いいワインをたっぷりと使わないと駄目。ワインの比率が高いから、これが弱いと濃厚な味にならない。」

フォンドヴォーを
入れて煮込みます。

しっかりと作り込まれたフォンドヴォーであることは言うまでもありません。フォンを取る際に使う原料は、仔牛の骨約12kg、仔牛のすね2本分（約6kg）、仔牛のすじ約5kg。ゼラチン質の多い部分をたっぷりと使用し、これらを別々に焼いて香りを引き出します。

大きな寸胴鍋に玉ねぎ、にんじん、セロリ、トマトを加え15〜16時間かけてフォンをとっていきます。お店によっては丸2日（48時間）くらい煮込むところもあるようですが、城悦男シェフは、「あまりやり過ぎると、野菜が溶け込んでしまってかえって水っぽくなる。ペクチン質をしっかり残したいなら、これくらいがいい。」と、コツを教えてくれました。

じっくりとソースを
吸わせていきます。

ぐつぐつと煮込むのではなく、ポコポコと泡が出るくらいの弱い火力で火を入れていきます。赤ワインとフォンドヴォーの旨みがすね肉に入り込んでいきます。素材の大きさやコンディション、ソースの濃度などをみながら鍋と対話して仕上げていきます。

しっとりなめらか、
普通の煮込みではない食感です。

ほほ肉の赤ワイン煮でよくあるのは、肉を大きめにカットして柔らかく煮てあるもの。ホロホロとくずれるような食感のものが多いですが、城悦男シェフの赤ワイン煮は、肉は小さめにカットし、肉そのものを噛む食感を楽しんでもらうというもの。しっとりなめらかな柔らかさにもかかわらず、肉は崩れない。そして赤ワインソースがほほ肉の中にしっかりと入り込んでいます。まさに、格の違いを感じる逸品になっています。

これに比べると多くのこの料理は、肉の旨さが外に出てしまっている、ただ柔らかいもの、という感じがします。

これぞ
城悦男シェフの煮込み

伝統的な料理ほど、他との違いが分かり易いですし、王道の料理で本当に美味しいものは、時代が変わっても残り続けていくのだなと理解できる一皿です。

濃厚なソースに仕上げていますので、召し上がる際は、赤ワインまたは水を100cc（2袋いっぺんにやる場合には150cc）ほど鍋にいれて、そこに袋からほほ肉煮込みをソースごと全ていれてください。沸騰する直前に弱火にし、コトコトと5分ほど煮て、最後に付け合わせの野菜を入れて温めてお楽しみください。

ソースは多めに作ってあるので、余った場合にはステーキやハンバーグにお使いください。とても良く合います。

ヴァンサン
城悦男シェフより

文・東浦恭介(食文化)
撮影・公文美和