MAISON GIVRÉEメゾンジブレー

「すき栗」を使った
贅沢な
モンブランです。

アントルメグラッセ（氷菓）の第一人者、江森宏之シェフによる、モンブランをアイスケーキに仕立てたオータム・モンブランアイスケーキです。マロンペーストに使う栗の主役は、江森シェフが惚れ込んだという宮崎県の「すき栗」です。しかも茹で栗ではなく、あえて焼き栗にしてからマロンペーストにしています。香ばしくコクのある焼き栗にスモーキーなウイスキーを合わせた、秋を感じるデザートはいかがでしょうか。

見事なすき栗の
焼き栗です。

宮崎県須木市で収穫された「すき栗」です。すき栗は、木を低木にすることで日光がまんべんなく当たるように栽培します。さらに、樹上でじっくりと熟成させることで、甘味を増します。この熟成栗に、昔ながらのポン菓子を作る機械で圧をかけ、回しながら焼き上げると、香ばしくほっくりとした食感と和栗特有の上品な味わいが凝縮された焼き栗になります。

焼き栗とスコッチの
マリアージュ。

通常、日本のモンブランはラム酒を使うことが多いのですが、フランスではマロンにはウイスキーを合わせるのが定番だそうです。江森シェフは、焼き栗の香ばしさに、スモーキーなスコッチウイスキーを選びました。スコットランドのスペイサイド地方で造られるシングルモルトウイスキーです。風味の相乗効果はもちろんのこと、ウイスキーの切れの良さがマロンペーストの後味をすっきりとさせます。

モンブランアイスケーキの構成は、下段に胡桃のショートブレッド、メレンゲ、バニラアイスクリーム、マロングラッセと胡桃のキャラメリゼ。上段にマスカルポーネのシャーベット。トップには焼き栗ペーストにウイスキーで香りづけしたマロンアイスクリームを絞ります。何層にも重ねられた美しいモンブランの層は豊かな栗の風味で味わい深く、口溶けはシルクのようななめらかさです。

デコレーションにも秋らしさが散りばめられています。焼き栗のアイスクリームで作った栗や、マスカルポーネソルベのキノコ、木の葉をイメージしたチョコレートがさらに秋の華やかさを演出しています。

江森シェフのモンブランアイスケーキは、デコレーションも含めるとパーツが6種以上あり、その一つ一つが時間と手間をかけて丁寧に作られており、その組み合わせにもシェフの熱い思いがあります。

「メレンゲはアイスケーキに温かさをプラスする役割を果たします。アイスだけでは冷たすぎますが、メレンゲによって全体的に心地よい冷たさを生みます。またメレンゲだけではアイスケーキとしての食感が物足りないので、ショートブレッドも合わせてザクザク食感を楽しんでもらいます」と、語ります。江森シェフの技とセンスが細部にまで表現されたモンブランアイスケーキです。

江森宏之シェフです。

神奈川県中央林間にあるメゾンジブレーのオーナーシェフである江森宏之さんには二つの称号があります。一つは、果物スイーツの第一人者。もう一つは、アントルメグラッセ（氷菓）の第一人者です。

江森シェフは、2015年にイタリア・ミラノで開催されたアイスクリームとチョコレートのワールドカップに日本代表のチームキャプテンとして出場し、日本を優勝に導きました。

アントルメグラッセについては、世界のアイスクリームリーディングカンパニーのカルピジャーニ社の特別講師をつとめており、ジェラートの本場イタリアの講習会にも招かれるほどです。今回のモンブランアイスケーキのアイスの口溶けの良さなどは、カルピジャーニのマシーンによってもたらされます。

深まる秋のデザートに
いかがでしょうか。

ケーキのサイズは5号15cmです。４〜６名様で楽しめます。お召し上がりの前に室温で10分ほど待ってから、カットしてください。その際は包丁をお湯につけ、綺麗なふきんで水気をふき取ってから、包丁が温かいうちにカットすることをおすすめします。珈琲や紅茶でお茶の時間を楽しむだけではなく、食後のデザートにウイスキーやデザートワインをお供に楽しまれてはいかがでしょうか。栗の香ばしい香りとお酒の余韻が、より一層深まる秋を楽しませてくれます。

文・林麻実
撮影・天方晴子