青森県下北半島の
大畑港から直送します!
津軽海峡・金亀丸の
ヤリイカ
1月に大型のオスを、2月下旬から春先にかけて子持ちヤリイカを、 青森県むつ市大畑町の金亀水産よりお届けします。
冬の津軽海峡の恵み。
2月下旬から春先に揚がる子持ちは煮付けで食べられてきた旨いイカだ。新鮮なオスのヤリイカは、コリっとした心地よい食感と、きれいな甘みが魅力。噛むほどに澄んだ旨みが広がる。ヤリイカは、さっと炙ったり、軽くゆでて、塩とオリーブオイルでシンプルに食べてもおいしい。皮がむきやすいことも嬉しいイカだ。
大畑港から新鮮なイカを送ります。
「大畑の目の前に広がる津軽海峡は、暖流と寒流が交わる豊かな海で、山からは大畑川の栄養が流れ込み、魚介にとって理想的な環境です」と、金亀水産の佐藤敏美代表。金亀水産は、第六十八金亀丸で3つの定置網漁を操業し、自社の加工場から各種の鮮魚を全国に直送している。冬の津軽海峡といえば、大間のマグロや風間浦のアンコウで知られるが、大畑ではヤリイカをはじめ、ニシン、タラ、カワハギ、サクラマス、ソイ類、カレイ、ホッケ、サケなどが揚がる。実に豊かな海である。
子持ちヤリイカの煮付けで一杯。
「出来たての煮付けで酒を飲むのが最高です(笑)」と佐藤さん。水揚げをし、箱詰めや発送などの仕事が終わったら大鍋で煮て、ともに船に乗る漁師と酒を酌み交わす。この際の旨い肴になるのが煮付けだという。第六十八金亀丸は、20歳代と30歳代の漁師を中心に7人体制で定置網漁を行なっている。
金亀丸に
乗せていただきました。
1月上旬、大畑港から定置網漁に向かう第六十八金亀丸に乗船。津軽海峡は冬景色だ。
金亀丸を率いる佐藤敏美さんは3代目。3つの定置網を持っている。「どこも大畑港から近いので、すべての網起こしをしても、出港から2時間で水揚げまでできます。だから鮮度は抜群です」。佐藤さんは、若い漁師とともに、海峡ロデオという漁船体験や漁師交流会を企画したり、鮮魚の直送を始めるなど、大畑町の漁業の活性化に取り組んでいる。「俺たち定置網漁が大畑の漁業を引っ張る! がモットーです」
出港から15分ほどで最初の定置網の網起こしが始まる。ちなみに定置網漁とは、魚が回遊する海中に、魚をさえぎる垣網と、それに沿って誘導された魚が入る身網を設置して魚を獲る漁法だ。「定置網漁は、一本釣りなどと比べると一年中、水揚げがあるので若者が就業しやすい利点がある」と、佐藤さんは語る。
身網を引き寄せると、たくさんのヤリイカが、元気よく跳ねている。
これをタモ網ですくいあげる。
タモ網をあけるとサケやタラなどの大型の魚も。
船上で魚種ごとに選別をして、次の定置網に向かう。早い。
次の定置網は大豊漁! ニシンやカレイなどの魚も身網にぎっしり。
豊漁で船が魚介でいっぱいになったため、3つめの定置網は後回しにして、大畑港へ。カモメがたくさん着いてくる。
お目当てのヤリイカと記念撮影。冬の津軽海峡らしく波が荒くなってきていたので、ほっと一安心。
水揚げする大畑港には2017年に竣工した清潔な市場がある。ここで素早く箱詰めされ、金亀水産の加工場や各地の市場に運送される。
商品は金亀水産から
直送します。
金亀水産の加工場で個別に箱詰めされ、ただちに全国に発送。ヤリのように尖った高鮮度のヤリイカだ。
1月はオスのヤリイカを、2月下旬から3月にかけては子持ちヤリイカのお届けになります。「人と人、酒と肴、つなぐ青森」をテーマにした「♯あおもりの肴」の漁師カード付きです。
ヤリイカ料理をお楽しみください!
子持ちヤリイカは、ゆでて生醤油をかけただけでも旨い。トマト煮など洋風の料理にも使える。オスは刺身のほかに、身とゲソを叩いて昆布締めにするといい酒肴になる。炙っても旨い。手前は下北半島の郷土料理の「いか寿司」。酢と塩で味付けをしたキャベツやニンジンの漬物と紅生姜を、ゆでたヤリイカに詰めたもの。これも酒がすすむ。ヤリイカは酒好きにはたまらない素材だ。
文・町田成一(食文化)
撮影:八木澤芳彦