屈強な身体と猛烈な闘争心を持つ 阿仁川の鮎 特に奔流を越え、上流域まで達した鮎の逞しい身と上質なわたは 究極の美味
一般には流通しない、食通垂涎の阿仁川の鮎は、全国の鮎の流通量の0.1%にも満たない幻の鮎です。 特に、阿仁川の鮎の中でも、遡上の途に立ち塞がる根小屋堰堤を乗り越え、上流の渓谷域に達する鮎は究極品です。別格の美味です。
米代川の支流 阿仁川 大きくて力強い鮎を
産することで有名
阿仁川は昔から立派な鮎が獲れることで有名でした。サイズだけではなく、その猛烈な闘争心が故に、友釣りの人気河川として、太公望の間では知る人ぞ知る川です。
写真をクリックすると拡大表示します。
阿仁川の鮎は幻か・・・
平成19度の水揚げは僅かに11トン、全国の鮎生産9036トン(漁獲3229トン、養殖5807トンの合計)に対しては、わずかに0.1% それも殆んど全てが地元で消費されてしまう阿仁川の鮎は、まさに幻の鮎です。
同じ阿仁川の鮎でも、途中で鮎に立塞がる根小屋堰堤(堰長:183m、堰高:2.2m)を越えて、上流に向かえた鮎は特にパワフルにして大型と言われています。 また、阿仁川の上流域の比立内川、打当川などは、慣れない人間の立ち入りを拒む渓谷で、殆ど生活排水の入らない清流です。
つまり、釣り人といえども、上流域で釣るには、それ相当の覚悟と体力が要求されることから、まさに、上流の鮎は一般人の口に入ることがない、幻の逸品です。
大変な重労働 渓谷での鮎の友釣り
私は最もアクセスしやすいポイントを選んで案内してもらいましたが、それでも、急斜面を下り、速い阿仁川の流れを越えなければ、たどり着けない場所でした。
実際の友釣りの場合、重たい荷物(水が入った囮(おとり)缶が特に重い)を背負って、渓谷まで降りて、釣果を持って上がらなければならないのですから、その肉体的負担が半端でないことは想像に難くないです。
根小屋堰堤が鮎を待ち受けます
阿仁川上流はまさに渓谷阿仁川上流はまさに渓谷
阿仁川上流のポイントの近くで 左:私(萩原)、右:太田松寿さん阿仁川上流のポイントの近くで
左:私(萩原)、右:太田松寿さん
阿仁川の鮎のDNAを守る努力
資源保護の観点から、現在、鮎の稚魚の放流をしない漁協では、鮎漁は認められません。阿仁川についても、漁協による放流が続いていますが、他の河川の鮎を導入するのではなく、秋田県の北秋田市米内沢の阿仁川あゆセンターで、阿仁川の天然鮎を飼育し、採卵・受精し、県水産振興センターで初期飼育(海水)し、再度、アユセンターで育てられた稚鮎を阿仁川に放流しています。
鮎は河川により微妙に性質が違い、違う河川や湖沼の鮎を放流しても、その河川本来の鮎には育ちません。縄張り意識も違い、当然ですが、闘争心も違います。
阿仁川の鮎は非常に闘争心が強く、体躯も良く、そのDNAを守る努力は大切です。それをしなければ、阿仁川の鮎ではなく、阿仁川で獲れる鮎になってしまいます。
毎年、6月中旬には阿仁川には1本の黒い帯が見えるそうです。その正体は海から米代川を上り、阿仁川を遡る若鮎の群れです。その帯が根小屋堰堤にさしかかった時、魚道をはねる鮎の姿は壮観と聞いています。魚道の奔流を越えて上流域の渓谷で成長したものだけが、真の屈強な阿仁川の鮎だと言えます。
今回、幻の阿仁川上流の鮎をおすそ分けしてくれるのは、太田松寿氏。
鮎釣りに惚れ込み、30歳頃から鮎を求めて全国行脚し、5年間で全国40カ所の有名河川を渡り歩き、ついには阿仁川の鮎が最高との結論に達し、阿仁に居を構えた人物です。 春は山、夏は川、秋は山、と阿仁の大自然の恵みを知り尽くした人物です。
『鮎釣りで大切なことは、川の水質と川相です。全国に鮎が獲れる数多くの川がありますが、水質が良すぎても駄目で、鮎が好むコケが良く育つ環境が大切です。
良いコケの生育には、日照時間も影響しますし、川の中にある石の種類(大きさや色など)も影響します。通常、綺麗な川と呼ばれる川は、水温が低いのですが、低過ぎると鮎は大きく成長しません。
生育が良い、質の良い鮎が獲れるとなると、総合して阿仁川が一番と言えるのです。
そして、何と言っても、釣りについて言えば、猛烈な引き。食べる場合は、はらわたのうまさ。この2点で、阿仁川上流域の鮎は格別です!』 太田松寿談
板氷とともに送られる、極上の阿仁川上流の鮎
急峻な崖を下り、奔流を渡り、ようやく釣り上げた鮎。特にサイズ良好で質の良いものを厳選し、
釣ってから数時間以内で活け締めにして、大きな板氷(井戸水をゆっくり凍らせた塊)に乗せてお送りします。
※釣果は天候にも左右されるため配達希望のご指定は不可となっておりますが、ご希望の日やお受取りの出来ない日がございましたらリクエスト欄にご記入ください。出来る限りご希望に沿えますよう調整いたします。
しなやかにして強靭な阿仁川の鮎の筋肉 そして健康な内臓
鮎のお召し上がり方で一押しは何といっても塩焼き これに勝るものはないです。理由は上質なわた(内臓)と上質な身を同時に味わうには、塩焼きがベストだからです。
実際に焼いてみるとわかりますが、一般に弱いと言われる鮎の腹ですが、しっかりしています。天然の鮎でも、結構、このお腹が破れてしまうことは多いですが、到着日に私が焼いた8匹は、すべて完璧に仕上がりました。
若鮎ということで、脂気は少ないがしっとりした身 本当に上質な白身です。
香り高い皮としっかりと風味をもった内臓が口中で渾然一体となった瞬間、阿仁川の鮎の真骨頂が発揮されます。
若鮎のはずなのに、頭と背骨はかなり固めです。それもそのはず、この時期にしては体躯も立派で、例の堰を飛び越えた強靭なアスリートだからです。
これから、豊かな阿仁川のコケを食んで大きく成長する鮎 とても、楽しみです。