食感・香り・旨味
三拍子そろった
堀川さんの朝採り枝豆
『陽恵(ようけい)』
新潟県産
1.かおり枝豆「陽恵」は
格別に旨い!
しっかりとした食感・広がる香り・後を引く旨味。
数ある枝豆品種の中でも抜群の美味しさを誇る枝豆品種『陽恵(ようけい)』です。
生産量が少ないうえに、ほとんどの産地は複数の品種をリレーしながら “枝豆”として出荷しているため、陽恵という品種名をご存じの方は少ないと思います。
青豆の食感の良さと茶豆の香りの良さを兼ね備えた茶豆風枝豆(白毛種)の1種です。特に鞘から広がる濃厚な香りから別名「かおり枝豆」とも呼ばれています。
コリっと絶妙な歯ごたえのある食感を持ち、前述の濃厚な香りが食欲をそそります。
かむごとに甘味と旨味がたっぷりとあふれ長く後を引き、一度食べだすと止まりません。
市場や当店の目利きも「白毛種の中でも一番おいしい」と評します。
2.陽恵一筋の生産者
堀川竜暉さんです。
堀川竜輝さんは現在32歳の若手農家。(※1)枝豆の作付面積全国1位の新潟県(※2)で200年続く農家の12代目。
もともとは一般企業に勤めていましたが、家業である農業に転身しました。農業経験がない中、自分との相性が抜群の作物として出会ったのが枝豆「陽恵」だったのです。
その美味しさに一目ぼれをした堀川さん「これをたくさん作ればきっと喜んでもらえる」と、なんと陽恵一筋で栽培を始めました。
通常、枝豆は栽培時期に適した品種を2週間程度で切り替えながら、6〜10月頃まで出荷します。新潟県ですと実に40品種以上を組み合わせながら出荷しています。
陽恵は6月下旬〜7月上旬が適期の品種ですが、それをシーズン通して出荷しようという前例のないことを実現しています。陽恵は栽培が難しいため導入する生産者も少なく、種屋も多く仕入れません。堀川さんは地域の種屋を全部回って買い占めたそうです。
この情熱と独自の栽培アイデアで、堀川さんは陽恵をシーズン通して出荷する農法を生み出し、地元でも話題の美味しさをつくりあげました。今や直売所に置けば枝豆ファンが飛びつき、数分で完売するという知る人ぞ知る人気の品となっています。
※1:2024年現在
※2:新潟県HPより
3.肥沃な土壌と、強い苗を作り出す独自の栽培で
美味しい枝豆に仕上げます
堀川さんの園地は新潟県三条市の西側にあります。そばを流れる中ノ口川は歴史上何度も氾濫を起こし、そのたびに肥沃な土が堆積してきました。その豊かな土壌を活かして、地域では枝豆を中心とした野菜栽培が盛んです。
陽恵を栽培するにあたって健康な苗づくりを行います。その中で栽培中にわざと苗にストレスをかけるのです。それによって枝豆は生命力を高め生存本能を発揮し、たくさんの花を咲かせ多くの鞘をつけます。豊かな土壌から供給される栄養を実にぎゅっとため込み、色鮮やかでムチっと実入り豊かな枝豆に仕上がります。
鞘の色の美しさは、同時期のほかの枝豆と比べても特に映えるものでした。
そして、生命力を引き出す独自の栽培方法は美味しさを高めるだけでなく、本来向いていないとされる8月の陽恵栽培まで可能にし、長期にわたる出荷を実現したのです。
4.朝採りで一番いい状態の
枝豆をお届けします
美味しい枝豆のために、収穫は日付が変わったばかりの午前2時半から始まります。ヘッドライトの灯を頼りに実の充実した場所を選び収穫していきます。
枝豆は実にためた栄養を日中に消費してしまうため、一日の中で風味や味わいを変化させてしまいます。最も栄養が詰まった状態で収穫するには、気温の低いこの時間が最も良いのです。
近年は朝採りよりも夕採りのほうが増えてきたそうですが「朝採りのほうが間違いなくおいしい」と堀川さんはこだわります。
その後、自宅作業所で「脱鞘(だっきょう)→選別→洗浄→脱水→袋詰め」を経て午前8時頃には梱包も完了します。シーズンによっては午前中いっぱいかかることもあるそうですが、朝採れの枝豆をその日のうちに出荷するのが信条。
枝豆は鮮度が命。お手元到着時が最高の鮮度でございます。ぜひお早目に召し上がってください。
朝採りから出荷までの流れ
●収穫
気温が上がらないうちに、暗闇の中ヘッドライトを頼りに、トラックいっぱいに収穫します。
●脱鞘
大型のブラシが回る機械で枝と葉を取り除き、鞘だけにします。
●選別
実入りの悪いものや1粒鞘を溝の付いた選別機で取り除きます。これを3段階行います。
●洗浄
採れたての枝豆には土などが付着しているため、枝豆専用の洗浄機で洗います。
●脱水
洗った枝豆から表面の水分を飛ばします。この時すでに陽恵の甘く香ばしい香りが広がります。
●袋詰め
最後は人の手と目でチェックし、見た目が悪いものなどは取り除きながら袋詰します。
美味しい枝豆のために、家族・友人一丸で行う朝採り作業。夜が白むまで堀川さん宅の作業場にはこうこうと明かりが灯っていました。
5.鮮度抜群の枝豆は産毛もはっきり
枝豆の美味しさ・鮮度の見分け方に「産毛が立っていること」があげられます。
届いたばかりの堀川さんの枝豆を見てください。細やかな産毛がしっかりと立っていて、鮮度の良さが伝わってきます。
ぜひ早いうちに茹でて召し上がってください。早ければ早いほど、間違いなく美味しいです。
6.生産者直伝
堀川流冷やし枝豆
生産者の堀川さんが「ぜひ知ってほしい」という食べ方があります。
それが「冷やし枝豆」です。特に堀川さんの陽恵で作ると、冷やすことで甘さが際立ち、さらに食感もはじけるようなパリッとした仕上がりになります。
「届いたらまずは全部茹でて、半分は温かいうちにすぐに食べて、もう半分は冷蔵庫で保存ということもできます。おいしい状態で火が入っていますし、冷やし枝豆も楽しめるのでおすすめです!」
茹でてから冷蔵庫に置くことで2〜3日保存も可能になります。
ぜひお試しください。
水洗いをした枝豆をフライパンに入れて、ひたひたの水で火にかけます。ポイント:塩もみはしない
沸騰してから3分ほど茹で、ざるにあげます
熱いうちにたっぷりと塩を加えます。ざるを振りながら塩をなじませ、粗熱を取ります。
冷蔵庫に入れて2時間ほど冷やすと完成です。塩味が旨味を引き立て、甘く香ばしい美味しさです。
文:八尾 昌輝
写真:八木澤 芳彦・八尾 昌輝